2018年度 茅ヶ崎青年会議所

理事長スローガン

基本理念

伝統と革新の融合
文化の継承と新たな価値の創造
美しき「和」の精神性を以て挑戦し続けよう
魅力あふれる人々が住まうまち茅ヶ崎を目指して

スローガン

「温故知新」 ~輝かしい未来を紡ぐ革新者となれ~

はじめに

古より我が国、日本は、度重なる地震や風水害などの自然災害、戦後の荒廃といった国難の度に、運命共同体という和の国柄を重んじた大和国として、その国難を乗り越え、今日の繁栄へと歩みを進めてきました。先人、先哲たちが私たちに残してくれた日本の心とは、違いを受け入れる融和であり、違う個性による相乗効果を生む調和であり、お互いを尊敬し助け合う親和である。そんな「和することを望む心」が「和」の精神性と私は考えます。
現代社会におけるICTの普及と発展は、私たちに驚異的な利便性をもたらしています。そんな一方で私たちはその利便性に夢中になり、一つのツールとして活用するという立ち位置を見失い、いつしか時代の変化のスピードに追いつくことが目的となり、集団における秩序や調和、礼儀を重んじる和の心を失いかけてしまっています。ICTの本格的普及からおよそ15年、私たちの生活に定着してしまったからこそ、古より受け継がれてきた先人・先哲たちが大切にしてきた「和」の精神性とは、どのようなことなのか、今一度、見つめ直し、時代の変化とともに次世代へ伝えていかなければなりません。
今こそ責任世代である私たちが、多くのアクティブ・シチズンとともに、この愛する茅ヶ崎の輝かしいまちの未来のために地域の課題を抽出し解決に向けた運動を展開し、自らの限りなき可能性を信じ挑戦し続け、目に見えないものを大切にする新たな価値観を創出できる革新者となり、魅力あふれる人々が住まうまち茅ヶ崎を目指し活動して参ります。

来を知らんと欲する者は往を察す

1949年、戦後の混沌とした時代背景の中、責任感と情熱を持った青年有志たちにより日本で初めての青年会議所として、東京青年商工会議所が設立されました。その後、1951年には全国各地で活動していた青年会議所が集まり「新しい日本の再建は我々青年の仕事である」という覚悟のもと全国的運営の総合調整機関として日本JCが誕生しました。様々な分野において、積極的な運動をし、それぞれの時代で人は変わり、手法や表現は異なっても、創始の「志」は脈々と受け継がれ、60年を超える今も現役メンバーの手で年代記は綴られ続けています。そして1968年12月8日、平塚青年会議所をスポンサーJCとし日本で404番目の青年会議所として43名の諸先輩方によって、この茅ヶ崎のまちにも青年会議所が誕生しました。
そして、これまで連綿と受け継がれてきた灯火は半世紀の時を経て2018年、私たちの手に受け継がれました。この大きな節目の年に現役メンバーとして活動できることを誇りに思い、これまで創立から半世紀に渡り先輩諸兄が築き上げてこられた、常に時代の一歩先を見据えた「まちのかたち」を考え、歴史とともに紡がれてきた地域において一人のJAYCEEという存在意義を理解し、地域に根差したまちづくりを継承し運動を展開して参ります。また先輩諸兄をはじめ、変わらない友情のもと、切磋琢磨し刺激を与えてくれる同志たち、地域において連携、協力していただいている関係諸団体へ、今ここに改めて感謝の心を以て、誠を尽くします。
伝統とは、その時代の新しい工夫を加えた革新が無ければ引き継がれていくことはできないものなのです。時代は繰り返すといわれますが時代の流れとは螺旋階段状にスパイラルアップしながら進み、一見、上から見ると同じ所を回っているように見えますが横から見ると少しずつ昇って進歩していきます。だからこそ私たちが、新たなスタートとして未来への夢を切り拓き強い信念と前向きな姿勢を以て今しかできないことを考え、かつて先輩諸兄が夢を描き起ちがった気概を胸に、今ある地域の可能性を「新たな茅ケ崎のかたち」へと昇華させて参りましょう。そして私たちは更なる成長を遂げ次世代へ襷を紡ぐ革新者となければならない責任があります。何故ならば、このまちの未来は私たちが創るのだから。

他を慮る心

核家族化や少子化の進展、子どもが兄弟姉妹や親戚同士、友人同士での遊び、祖父母等と触れあうといったコミュニケーションが減少し、地域社会においても、地縁的な繋がりの弱まりや、人が当然に有するべき逞しさ、自他の生命の尊重の精神を身につける機会が失われつつあります。いつの時代も子供たちは未来を担う人財であることは変わりません。今こそ地域とともに、これからの時代の変化に調和のできる古より受け継がれてきた日本人としての高潔で徳高い「和」の精神性を学び子供たちへ伝播していかなければなりません。
人は誰しも自らの心が幸せな人は、他人の心も幸せにすることができるはずです。現代社会の子育てや教育の現場、職場などでよく見受けられる「親に対して子」、「教師に対して生徒」、「上司に対して部下」といった縦の関係、また「同級生」、「同僚」といった横の繋がりの関係が生活の大半を占めております。しかしながら子供たちは家庭や学校だけで育つわけではありません。これからは地域全体で子供たちを育て、縦と横だけでは成り立たない「ナナメの関係」を築いていくことが大切と考えます。本年は中学生を中心にOMOIYARI精神を育む事業として地域で育む人間関係、時代の変化とともに変わりつつある価値観の多様性を包含し調和のできる機会を提供して参ります。
地域のナナメの関係で見守られながら育った子供たちは、多様性と調和のできる寛容さが生まれ社会を生き抜く力と全てのものに生かされていることへの感謝をし「他を慮る心」を次世代へ繋げてくれると確信します。

文化の継承と新たな価値の創造

このまちには恵まれた自然環境と人々が調和した充実したコミュニティが育まれ、生き生きと暮らせるスローライフな魅力を感じることができ、現在も多くの人々が移住してきております。しかしながら現代社会においてのライフスタイルの変化による価値観の多様化、地域の大人から青少年へ思いを継承する機会が失われつつあり、「誰かがやってくれるだろう」という傍観的な考え方も多く聞こえてきます。
今年度は茅ケ崎の歴史ある文化の継承と地域の大人と子どもが心を一つに通じ合い新たな価値を創造できる「茅ヶ崎らしさ」を考えたダイバーシティ&インクルージョンの機会を提供して参ります。私たちは地域によって育てられ、支えられて生かされています。だからこそ時代が変わろうとも、地域に感謝し誇りを持って、このまちに住まう人々が「ふるさと」として愛することのできるまちのカタチを考え、市民一人ひとりが当事者として次世代を担う子供たちに伝えていけなくてはなりません。
地域と共に未来への投資を考え、次世代を見据えたまちづくりを展開して参ります。茅ヶ崎ならではの素晴らしい風土をしっかりと守り愛郷心のあふれる次世代のアクティブ・シチズンが活躍する魅力あふれる人々が住まうまちを実現します。

誇れる仲間との絆

会員拡大とは、未来を切り拓くための大きな挑戦です。卒業制度がある青年会議所において会員拡大は組織の存続、発展における常に永遠の課題であります。まずは私たちが愛するこの茅ヶ崎JCのためにメンバー一人ひとりがしっかりと拡大の重要性を理解し、この素晴らしい組織に自信と誇りを持って活動することで、新たな仲間の共感を得られることに違いありません。
会員同士の交流の機会を密にし新入会員のメンバーに一日も早く青年会議所の意義や目的、青年会議所運動の尊さを感じて活躍していただけるよう、より多角的な視点で事業を構築し、メンバー全員でフォローアップすることで、メンバーにとっても有意義な経験、そして新たな成長を手に入れられる機会を創出します。また住まう地域は違えど、姉妹JC、親子LOM、出向など「志を同じうする者」と互いに切磋琢磨し刺激を受け認め合い最高の仲間に出会える関係性はJCならではの魅力であり、そこで得た経験は個人にとってかけがえのないものになるでしょう。
40歳で卒業という限られた時間の中で自らの言葉で熱く物事を伝え、更なる出会いで成長したメンバーが次世代を担い活躍している姿を見せることで一人でも多くの仲間を増やすことに繋がり、そんな相乗効果が最高のまちづくり運動になることと確信します。

新たな価値の創造

このまちの未来を紡ぐ誇り高き志を持った社会的信頼のおける組織として共感を得られるためには、メンバー全員が同じベクトルを向き相互理解のもと一体感のある運営をしていかなければなりません。常に時代の一歩先を見据え、伝統として受け継がれてきた規範となる型を守り、革新の融合と新たな価値の創造をしていく必要があります。組織の下支えとして運営とは完璧であればあるほど、人の目につかなくなっていく組織運営に取り組んで参りたいと思います。
本年の広報は地域市民やJCのことを知らない方々に運動に賛同を抱いてもらうために、社会的影響力の強い多くのカウンターパートと連携し、JCの魅力や情報を届け、JCが携わっている事業を広く認知していくことで、より多くの市民を巻き込んだ運動を展開して参ります。またSNSなどを活用し対外広報としての情報提供をはじめ、統一性のあるメンバー同士のコミュニケーションの活性化に繋げて参ります。
戦略的な広報を通じて多くの市民がJCの運動に共感と好意を抱き、地域に必要とされる団体として確立していくことで未来へ繋がる茅ヶ崎JCのブランディングに繋げて参ります。

自らを律し、そして誰がため

地域にイノベーションをもたらすのは、いつの時代も若者、馬鹿者、よそ者だと言われていますが、全国各地の馬鹿者、よそ者と呼ばれる豪傑が少なくなってきているのではないでしょうか。ひと昔前は、JCの魅力を熱く語る豪傑と呼ばれる人たちが各地域に多数存在していました。そのカッコイイ背中を見て多くのメンバーが夢を抱き、自己研鑚という修練を積み重ね、いつしか自らも豪傑へと近づきたいと成長を追い求めていました。卒業制度という限られた時間の中で、自らの価値観を再認識し地域や家族、同僚などの身近な人からも認められるには、いかに魅力ある人間に出会い、互いにぶつかり合いながらも助け合うことを考え「積極的な変革を創造し開拓するために、能動的に活動できる機会を提供する」とJCI MISSIONにあるように、自らの行動が己を変え、人を変え、まちを変えていくことを常に意識し私たちの使命を全うして参りましょう。
近年の茅ヶ崎JCでは入会3年未満の会員が半数以上を占め、在籍年数の短期間化も見受けられます。そんな入会の浅いメンバーが、青年会議所運動をより理解のできる機会を創出し、自己の成長に繋げ、そして、まちに存在する関係諸団体や行政等と連携しながらより魅力ある人づくり事業を展開して参ります。個々が学び自己成長を遂げ、誰からも認められる青年経済人となり、地域市民の共感を呼ぶことが私たち団体としての大きな原動力に繋がっていくことでしょう。豪傑は豪傑からしか生まれない、人は人でしか磨かれない、豊な経験こそが人を創る。私たちは多種多様な価値観を互いに尊重し新たなものを作り出す志と情熱にあふれ多彩な個性を活かした協働によって課題解決に立ち向かい未来をイメージし地域にイノベーションをもたらす崇高な精神を持つ「豪傑」を目指して参りましょう。

結びに

私たちが受け継いだ大切な精神性とは「和している」ということを前提とした「和することを望む心」です。日本という国の歴史を振り返れば、数え切れない幾多の困難がありました。東日本大震災による被害の大きさに絶望を感じながらも、礼節を重んじ、他を慮る心を以て復興に取り組んでいる日本人の精神性が世界から賞賛されていることは、まだ記憶に新しい。そして、いつの時代にもそんな困難を打破する時には必ず地域を牽引するリーダーたちが存在しておりました。そんなリーダーたちは自らが育った郷土を愛し、祖国の将来を憂い、どんな困難に見舞われても決して諦めることなく揺るぎない情熱を以て勇猛果敢に挑戦してきたからこそ、社会を変革し続けることができました。
激動の時代といわれる今だからこそ、地域とともに様々な課題を解決し、一人でも多くのアクティブ・シチズンと生き抜く力を磨き、自らを律し、時代に必要とされる一人のJAYCEEとして、全てのことに生かされていることへの感謝をし、日本人のあるべき姿のアイデンティティと価値観を「和」の精神性を以て次世代に継承して参りましょう。
なにかに挑戦する時に必要なのは覚悟であり決めてしまえばすべては動き始める。
≪事業計画≫
1. 革新をもたらす創立50周年記念事業(50周年実行委員会・全体)
2. 入会後のフォローアップに注力した会員拡大(拡大交流委員会・全体)
3. 関係諸団体と連携し地域に根差したまちづくり事業(全体)
4. 未来を担う主体者育成事業(魅力あふれる茅ヶ崎創造・地域のリーダー開発)
5. 愛郷心あふれる青少年を育成する事業(魅力あふれる茅ヶ崎創造委員会)
6. 地域を担うリーダー育成事業(地域のリーダー開発委員会)
7. 日本人のあるべき精神性を育む事業(OMOIYARI委員会)
8. JCのブランディングに繋がる広報活動(総務広報委員会)
9. 公益社団法人に相応しいコンプライアンスを重視した組織運営(総務広報委員会)
10.各種大会への参画及びLOM内外の交流事業(拡大交流委員会・全体)
11.スケールメリットを活かした湘南4LOMまちづくり事業(OMOIYARI委 員会)